NIHの大規模な研究、子どもの睡眠とスクリーンタイムの管理に役立つ知見を家族に提供

teen looking at a phone screen in the dark
teen looking at a phone screen in the dark

SRIが支援するABCD研究のような長期的研究は、現代社会が発達途上の脳にどのような影響を与えるのかを理解する上で極めて重要


思春期の子どもを持つご家庭では、デジタル技術に関する難しい問題に直面しています。子どもたちにとって、ソーシャルメディアはどのような場合に安全で、どのような場合に問題となるのでしょうか?学校では、AIをどのように活用すべきなのでしょうか?スクリーンタイムは脳の発達に影響を与えるのでしょうか?

こうした様々な疑問に答えを示しているのが、Adolescent Brain Cognitive Development(ABCD)研究です。

ABCD研究は、米国国立衛生研究所(NIH: National Institutes of Health)によって2015年に開始され、思春期前から成人期までの1万人以上の参加者を追跡しています。その目的は、睡眠、注意力、薬物使用、身体活動、スポーツによる怪我など、様々な要因が成長期の発達中の脳にどのような影響を与えるのかを明らかにすることです。

SRIのフェローであるFiona Bakerは昨年、カリフォルニア州メンロパーク市のLa Entrada Middle Schoolで保護者、生徒、教育関係者を対象に講演を行い、ABCD研究や関連研究から得られた最新の知見をもとに、思春期の子どもたちとその家族が現在のデジタル環境にどのように向き合うべきかについて詳しく説明しました。

「ご家庭で1つだけ変えられることがあるとすれば、就寝時に寝室へスマートフォンを持ち込ませないことです」— Fiona Baker

イベントの後、Los Lomitas学区の教育長であるErik Burmeister氏は、「Baker博士の研究は、10代の子どもたちのご家族にとって非常にタイムリーで大きな意義があります。多くの保護者は、現代の思春期世代について科学的に裏付けられた情報を求めています。ABCD研究のような研究は、ソーシャルメディアの課題に向き合いながら、健康的な睡眠を促すための実践的で分かりやすいアイデアを提供してくれます」とコメントしています。

Bakerは、SRIのCenter for Health SciencesおよびHuman Sleep Research Programのディレクターとして、カリフォルニア州に4ヵ所あるABCD研究拠点の1つを運営するチームを率いています。また、ABCD研究データを活用した100本以上の論文の共著者でもあります(ABCD研究全体では、これまでに1,600を超える研究にデータが提供されています)。

La Entrada Middle Schoolでの講演では、ABCD研究や最近の思春期に関する研究から得られた知見が紹介されました。Bakerは、研究から得られた重要な知見の1つとして、「問題のあるソーシャルメディア利用」と「思春期のメンタルヘルス上の課題」との間には強い関連性があると説明しました。また、スクリーン利用と睡眠の関係についても触れ、子どもたちは就寝前にデジタルメディアを利用しているだけでなく、通知音によって夜間に何度も目を覚ましている実態を指摘しました。

「就寝前のスマートフォン利用は、覚醒状態を高めることで睡眠を遅らせる可能性があります。また、何かを見逃すなど『取り残されたくない』という不安から習慣化しやすく、子どもたちにとってやめるのが難しくなります」とBakerは述べています。「ご家庭で1つだけ変えられることがあるとすれば、就寝時に寝室へスマートフォンを持ち込ませないことです。」

Bakerは、個々の研究結果を詳しく紹介するだけでなく、一般の人にも分かりやすいように作成されたABCD研究のインフォグラフィックも紹介しました。これらのインフォグラフィックは、薬物使用、睡眠、スクリーン使用といったテーマに焦点を当て、ABCD研究から得られた重要な知見を、保護者、教育関係者、生徒向けに分かりやすくまとめたものです。

「最新の研究結果を分かりやすく伝えることは、保護者だけでなく子どもたちにとっても非常に重要です。そうすることで、子どもたちはメンタルヘルスや睡眠習慣についてより良い判断を下せるようになるからです」とBakerは述べています。

SRIの睡眠デジタルヘルスに関する研究について更に詳しく知りたい方、あるいはこのテーマについてご自身のコミュニティで広げたい方は、ぜひお気軽にこちらからご連絡ください


SRIのブログはこちら